18年ぶりに奄美大島に帰った件

愛し君へ


2023年も半分が終わった今日この頃いかがお過ごし?

水分補給を忘れずにね。

実は先月、君に内緒で奄美大島に行っておりました。

二泊三日だったけど、今回のラブレターはその時の様子をお届けするね。

まず刈川は生まれも育ちも神奈川県相模原市だけど、

母は奄美大島の出身なんだ。島に行くのは18年ぶり3回目。

しかも今回は家族で行ってきました。


初日


羽田からの直行便で奄美空港に到着。

奄美空港は大きさで言うと、山形空港や、秋田空港くらい。

いわゆる地方空港。降りた瞬間、南国の湿った風が髪にまとわりつく。

生まれ育っていないが、素直に「ただいま」と思えた。


奄美大島の人口は約6万人。沖縄本島は130万人。

面積は沖縄本島の方が約2.5倍大きい。

奄美大島は東京都23区より少し大きいくらい。

電車はもちろん無いし、渋滞も無い。

島の一番上から下まで、2時間ちょいあれば行ける。


レンタカーで親戚のいる奄美市内へ。

運転しているだけで楽しい。

路肩に信じられないくらい草木が生えている。

整備されたジャングルのようだ。

18年も経てば、「この辺りも変わったな~」と思いそうなものだが、

全く景色が変わっていない。新しいビルが数えられるくらいしか立っていない。

しかもその新しいビルは大抵ホテルかパチンコだ。

奄美市内を歩けば、大袈裟ではなく、まるで昭和の日本を歩いているようだ。

どのビルも築50年は経っていそうだ。

人口が減っていると景色を見て感じる。


奄美にいる親戚は、母のいとこ、祖母の妹など、

8年に一度くらいのペースで会える親戚だ。

方言が心地よい。亡き祖母は刈川が産まれた事をきっかけに上京した。

なので幼い頃より祖母の生粋の奄美語を聞いて育った。

実家の押し入れにあるカセットテープを聞くような感覚だろうか。

親戚とは2日目に食事会がセッティングされていた。


今日はとりあえず、薦められた居酒屋で食事。

奄美の料理は、どちらかと言うと沖縄より鹿児島に近い。

豚の角煮を食べるとよくわかる。

名物は「鶏飯(鳥だしの雑炊のようなもの)」と「油そうめん」。

油そうめんは幼少期から家でよく食べていたので馴染みがある。


ちなみに奄美で一番おいしいのは魚です。

沖縄より馴染みやすい魚ばかりで、どれも一級品。

黒糖で作る甘口醤油も最高。

そして黒糖焼酎。日本で唯一、奄美群島だけに製造が認められている焼酎。

ただ薬を飲んでいたため、今回は飲めませんでした。お土産で買ったよ。

くたくたになり就寝。テレビのチャンネルが慣れないよね。


二日目


朝から90歳を超えた祖母の妹に会いに施設へ。

顔はそこまで似てないが、醸し出すオーラと言うか、雰囲気が亡き祖母に似ていた。

祖母の妹と、その後ろに感じる亡き祖母の二人に会えて、自然と涙。

帰り際に祖母の妹が刈川の手を掴んで一言「頼んだよ」と。

たった5文字が心の奥に染み込む。

この言葉の本当の意味を知るのは今じゃなさそうだ。


この日はあいにくの雨。

離島によく行くからわかるのだが、島は天気が悪いと本当にやる事がない。

とりあえず島の下の方まで車を走らせる。

何年か前に世界遺産になったとは思えないくらい静かだ。

途中、道の駅やカフェなどに入り、本当にブラブラしただけでホテルに帰ってきた。

ただ、それは本当に贅沢な時間だった。

東京に帰ってきてからも、時折そうゆう時間を作る事にしている。

音楽をかけない、ラジオをかけない、動画を見ない。

ただ、ぼーっと。少しわかった「徒然なるままに」の意味が。


そして親戚との夕食会。歳が近い“はとこ”も同席。

DNA的にはそんなに違わないのに、育ってきた環境があまりにも違いすぎる。

三つ下の男の“はとこ”と話していて、

彼が刈川でも不思議ではないし、刈川が彼でも不思議では無かったのだと思う。

親戚の中にいると、刈川は結構「島顔」だという事に気付く。あまり違和感がない。

近況報告や、好きなバンドの話など、他愛の無い話もたくさんした。

血が繋がっていなくてもきっと楽しかった。

今度東京に来た時に案内する約束を交わして。

刈川の喋り方もすっかり祖母仕込みのエセ奄美語になっていた。


三日目


母の生まれ育った家を見て、物思いにふける。

どんなに頭を使っても、想像が出来ない母の幼少期。

生まれる前の物語がこの島にはある。

この18年で祖母が亡くなり、伯父が2人亡くなった。

奄美にいる間、先立ってしまった祖母達を感じる事が出来た。

それだけでもこの島に来て良かったと思う。

刈川にとっては縁の切れない場所なんだと。


飛行機に乗るまでに、奄美で有名なスーパー「ビックⅡ」寄った。

このスーパーは凄いよ。「何でもある」の3つ上をいったよ。

イトーヨーカドーを無理やり平屋にして、ドンキホーテを足した感じだった。

信じられないくらい買った。そして帰路へ。

しばらくは奄美を感じて日々を過ごせそうです。


ここまで長々読んでくれてありがとう。

リフレッシュ出来たので、次のデートは最高だね。

デートの約束をしよう。

次会う日まで会えない時間を大切に。

刈川圭祐 Official Site

シンガーソングCMライター刈川圭祐のオフィシャルサイトです。