プロ野球選手のバント
愛し君へ
朝晩と少し寒くなってきた今日この頃いかがお過ごし?
君が風邪などひかぬようにお祈りいたします。
君は「言われてみれば~」と最近思った事ある?
先日飲み会であった話をするね。
行きつけのお店にはテレビが置いてあって、野球中継をしていたんだ。
その試合で、ある選手が送りバントを失敗した。
その時、隣に座っていた元高校球児のA君が刈川にこんな話をしてくれたんだ。
元高校球児A「プロ野球選手ってバント下手な人多いんだよ。何でかわかる?」
刈川「ピッチャーのレベルが高いから?」
元高校球児A「高校時代にバントをしていたような人は、プロになっていないからだよ。」
“言われてみれば~”とすごく思ったね。
プロ野球選手になれる確率を紹介しているサイトをいくつか見ると、
大体0.1%台と推測される。
これは高校三年生まで野球をやっていた人を対象とした数字であり、
途中で辞めた人を入れればもっと低い数字だ。
高校三年生まで一生懸命野球をやった約1000人に1人がプロになっている。
そりゃプロになるような人はそのチームの中心人物であるに違いない。
チームの中心人物はまずバントしない。前の打者がバントをする事が大半だろう。
その話を聞いた時、テレビに映るバントを失敗した選手の
バックグラウンドを思い浮かべてしまった。
幼少期、初めて買ってもらったプレゼントは子供用の柔らかいボールだった。
野球好きの父親の影響もあり、土日は決まって近所のバッティングセンターで汗を流した。
初めて行った東京ドーム。
帰りに父とお揃いのユニフォームで電車に乗るのが恥ずかしかった。
小学校時代、強豪チームに入り、エースで4番を任された。
地元では名の知れた選手になった。
中学時代、4校からスカウトが来て、親元を離れ野球をする事を選んだ。
小学校時代から酷使したヒジの影響もあり、野手へ転向した。
甲子園出場のかかった決勝戦、自分のタイムリーツーベースでみごと優勝を果たした。
それでも甲子園の三回戦、自分のエラーがきっかけで敗戦をしてしまった。
涙を流してくれた友のためにもプロに進む事を決意した。
ドラフト下位での入団だったが、3年の二軍生活を経て一軍に上がった。
そしてその初戦で慣れないバントのサインが出て失敗した。
以上、刈川の勝手な妄想です。
お酒を飲んでいたせいか、少し泣きそうになってしまった。
会社でも地方で営業のエースだった人が、
本社に来てお茶くみをするみたいな事もあるのだろうか。
もし刈川がその選手だったら、
死ぬ気でバントの練習をするのか、
それともバントをしなくていいくらいの強打者になるのか。
どうやらそんなに簡単な話でもなさそうだ。
君ならその先どうする?
どんな時でも頭を上げて胸を張って生きていければ素晴らしいと思う。
刈川もそんな人間でありたい。そしてその様を君にも見て欲しい。
どんな時でも凛と歌います。是非聞きに来てね。
デートの約束をしよう。
次会う日まで会えない時間を大切に。
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