処暑

愛し君へ


雨の多いお盆休みいかがお過ごし?

暑くないのはいいけど、洗濯が干せないのは大変だね。


君は違う世代の人と話す機会ってある?

先日、このご時世で遠出も出来ないので、

近所の博物館に行ったんだ。


その博物館は人類の歴史が展示されていて、

原始・中世・近代みたいにブースが分かれいるんだ。

会場には地元のシニアボランティアいて、

分からない場所などを無料でガイドをしてくれる丁寧ぶりだ。

予約制なので人も少なかったんだけど、

夏休みという事もあって、ちらほら小学生の姿があった。

ノート片手に夏休みの宿題で訪れているようだったよ。

刈川の前にも3人組の小学生女子が歩いていたよ。


その女子たちが原始時代のブースでノートを取っていると、

シニアボランティアの方が近づいてきて、

土器の発掘方法について説明を始めた。

最初は3人とも熱心に聞いていたんだけど、

1人がその場から離れ、また1人その場から離れ、

最終的にはシニアボランティアと小学生女子の一対一での会話となっていた。

横目で友達に助けを求める素振りをする小学生女子と、

それを知ってか知らずか話を止めないシニアボランティアの方。

その構図が面白くて、展示そっちのけで見ていたよ。

その場から離れた女子達はノートに何か書き込んでいるんだけど、

明らかに書くスピードが遅い。

そして絶対にシニアボランティアの方を見ようとしないんだ。

シニアボランティアの話す内容も、発掘方法から地層の話になっていて、

北極圏のグリーンランドを例に挙げて説明をしたりしている。

いやぁ、小学生女子にグリーンランドはピンと来ないと思うんだよね。

大人であれば

「丁寧にご説明ありがとうございました。」みたいな態度で区切れるんだけど、

子供だとそれが中々出来ない。

最終的にシニアボランティアと話していた女の子がお辞儀をして、

走るように中世ブースに駆け込んだ。

それを見て他の女子二人も中世ブースに駆け寄って、

シニアボランティアの方は原始ブースに取り残されていた。


シニアボランティアの方は親切で説明していたけど、

やっぱり小学生女子が興味を持つような、

話題や話し方じゃないと持たないよね。

どっちが悪いってワケじゃないし。

すごく歳が離れた人と話す事って難しいと思った。

今の刈川くらいの年齢がもしかしたら全年代の人と話しやすいのかもしれない。

お年寄りとも話せるし、小学生とも話せる。

いくつになっても誰とでも会話出来る人でありたい。

君となら話そうと思えば何時間でも話せる自信があるよ。


コミュニケーションツールは、

手紙からメール、

メールからラインのスタンプと、

文字数がどんどん減っている気がする。

短い言葉を求める若者と、話が長いお年寄り。

それでもお互い歩み寄ってたくさん話せるといいな。

お互いにお互いから学ぶ事は多いもんね。

刈川はシャイなので話すより歌う事に専念するよ。

デートの約束をしよう。

次会える日まで会えない時間を大切に。

刈川圭祐 Official Site

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