霜降
愛し君へ
知恵を絞った特別な体育祭や文化祭が行われる今日この頃、
いかがお過ごし?何をするにも快適な気候だね。
君は焼肉屋ってよく行く?
刈川は年に1~2回くらいのペースだったけど、
最近は月1回くらいで行っているんだ。
短い期間で行くようになってわかった事があるよ。
それは、焼肉は食べる側のスキルによって味が全然変わるんだ。
たまにしか行かないと、
テンションが上がって、最初のオーダーで一気に肉を頼むんだ。
カルビ、ロース、タン、ハラミ、、、、、
早く食べたいから一気に焼く。
そして、どれがどの肉だかわからなくなる。
「これ何の肉?」
「カルビじゃない?」
「ハラミっぽくない?」
みたいな会話になる。
店員さんの話も全然聞いていないから、
タレなのか塩なのかわからなくなる。
塩で味ついているのに、タレをつけたりする。
そして色んな種類の肉を焼いているから、
気が回らなくなり、黒コゲになる肉が出てくる。
「この肉コゲてない?」
「このくらいが美味しいんだよ」
自分の非を認めずに食べる。
コゲのついた肉をタレに付けるもんだから、タレに雑味が増す。
薄い味から食べればいいのに、行ったり来たりするから味がわからなくなる。
食べ放題で頼んだら最後。
一通り頼むもんだから、もう何が何だかわからなくなる。
…ここまでの一連の行動は、過去の刈川の愚行である。
もし君と焼肉屋に行った時に、こんな食べ方をしたら嫌われるだろう。
でも、今の刈川は違う。
焼肉屋に入ったら、まずワカメスープを飲み心と胃を落ち着かせる。
サラダやキムチを頼み、タン塩から焼く。
食べる前に部位を確認して、ホルモンなどの脂っこいものは後半に持っていく。
随分大人になったものだ。
昔は鍋とか焼肉の食べ物にうるさいオジさんが大嫌いだった。
今、心の中で謝りたい。本当は美味しい食べ方を教えてくれたんですね。
ごめんなさい。そしてありがとう。
そして締めは冷麵。冷麵ってこんなに美味しかったっけ?
今まで何で気づかなかったんだろう。
最近では、冷麵を最後に食べるために焼肉を食べているといっても過言ではない。
サウナから出た後のビールのように、
肉の脂を全て流し込むような快感に目覚めてしまった。
これからも焼肉道を邁進してまいります。
今の課題は「野菜盛り合わせをどう焼くか」だ。
正解がわからない。カボチャを美味しく食べれた記憶がない。
焼肉の神髄は、「野菜をどう焼くか」にあるかもしれない。
君といつか一緒に行く時までにマスターしておくね。
もしくは君が美味しく焼いてね。
そして、ようやくデートが出来そうです。
お肉でチャージされたので、気合入れていきます。
次会える時まで会えない時間を大切に。
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